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2020-11-20

私がダシを始めた理由

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「だし おおさじ2」
レシピにこうあったら、あなたは何を入れますか?

粉末だしを「大さじ2」?

粉末だしを水溶きして「大さじ2」?

それとも、鰹節などを煮出しただし汁を「大さじ2」?

全部、おなじ「おおさじ2」のだし。

ですが

同じレシピでできあがるお料理の味は、まったく別のもの。

素材を煮出しただし汁で作ったおひたしは、それだけで料亭の味。

ごちそうになるのです。

面倒くさがり屋さんにこそ、知ってほしい。

昆布の水出しに、かつおぶしを削って、

やさしく煮たてた自然の味の魔法を。

簡単なお料理が「ごちそう」になる、おだしの力を。

本物のだしがつくる味は、あなたと、

あなたの大切な人、

そして、地球を、しあわせにしてくれます。

はじめまして。じぶんダシ研究家の河口晶です。

日本の家庭料理「だし文化」を世界に発信しています。

でも、実はわたしも、「だし」って「粉末だし」しか知らなかったんです。

子どものときからお料理が好きでしたが、実家にあったのは「粉末だし」。

レシピ本の「だし おおさじ2」を、どんな風に入れたらいいかが分からず、

粉末だしを水に溶いていたのを覚えています。

きちんと「だし」の取り方を習ったのは、母親になってから。

離乳食で悩んでいたときのことです。

ベテラン主婦の方が目の前で、だしをとってくださいました。

できたての鰹節と昆布がじんわりと煮だされただしは、琥珀色。

その一口の、おいしかったこと!

体にスーッと染み渡って

ふんわり体があたたかくなって

しあわせが広がった感覚を今でも憶えています。

ほんとうにシンプルな、ごちそうでした。

じんわりと、だしの魅力に取りつかれたわたしは、

だしソムリエになってしまいました。

そして、日本国内のだしをめぐる旅を通じて「だし」の文化を大切に守る方々に出会ってきました。

煮干し、昆布、かつお節、乾ししいたけ。

どれも驚くほどの重労働と手間暇をかけて作られます。

「だし」に加える調味料や食材も

伝統を守り育てている方々がいます。

豊かな自然が、豊かなだしを産むのだと、知りました。

昔ながらの食文化が、地域を守り、自然を守り、地球を守るのだと知りました。

おだしをとる。

それだけで、

いつものご飯が豊かになり、

ちょっと暮らしが丁寧になり、

自分や家族が大切に思えるから不思議です。

しあわせをつくる「だし」の魔法を、たくさんの人に伝えたい。

その思いから、「だし伝道師」を名乗るようになりました。


だしで、

あなたのしあわせ、

地球のしあわせを増やせるといいな、と願いながら

わたしは今日もだしの魅力をお伝えしています。

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