かつお節ができるまで③
だしキッチンまんまる主宰の河口です。
だしソムリエの仲間とかつお節の見学ツアーに行きました。
意外に知らない「かつお節ができるまで」。
前回はかつおを生切り(解体)して・骨抜き・焙乾・あん蒸を経て、
荒節になるまでをご紹介しました。
今回は、カビつけをした枯れ節について。
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できあがった荒節を一つ一つ検品して、枯れ節にできるものを選り分けます。
枯れ節になるのは形・質の良いもので全体の2~3割ほど。
周りのタール部分を削って裸節にします。
【カビつけ】
2~3日裸節を干してからかつお節優良カビ(麹菌の一種)を噴霧します。
温度約28℃、湿度約85%の室(むろ)と呼ばれる部屋で約2~3週間貯蔵されます。
最初に出るカビを一番カビと言います。
かびのついた節は3週間ほど日光にあてて乾かします(日乾)。
このとき、水滴がつくとしみになるので、天気にはとても気をつけ
ないといけないのだそうです。
さらにカビつけと日乾を数回繰り返します。
2回まで繰り返したものを「枯れ節」、
4回以上繰り返したものを「本枯れ節」と呼びます。
左側がカビつけ前、右側がカビつけ後の写真。
カビつけの効果は
・かつお節の水分をカビが均等に吸収し乾燥する
・発酵・熟成させることで魚臭さが減り、うま味成分が増える。
・表面の脂肪分を分解し、脂のない澄んだ透明な「だし」がとれる
・ほかの菌の繁殖を防ぐ
などがあげられます。
水分量は5㎏のかつおが本枯れ節になると800~900g、約1/6になります。
世界一固い食品、かつお節のできあがりです。
さらに(株)にんべん様では、枯れ節の中から姿節を選別する職人さんがおられます。
日光の下、一本一本手に取り、日光にすかし割れや中の空洞がないか、
かつお節についている皮の状態(水分、脂肪分がわかるそうです)、
検品されています。
こんな微妙な影から割れや空洞を発見されます。
職人技です。
一年中、天気のいい日にはこの検品作業をされるそうです。
かつお節をとても大切に触れられている手が印象的でした。
おだしのうまみを最大限に引き出すために、こんなにも
多くの手間ひまがかかっています。
大切に、おいしく使っていきたいとつくづく感じました。
見学させていただいた、(株)丸栄様、(株)山七様、そして
(株)にんべん様、ありがとうございました!