かつお節ができるまで②
だしキッチンまんまる主宰の河口です。
だしソムリエの仲間とかつお節の見学ツアーに行きました。
意外に知らない「かつお節ができるまで」。
前回はかつおを生切り(解体)して4つの節を作るまでをご紹介しました。
そのつづきです。
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【籠立て(かごたて)】
生切りしたかつおを籠に並べていきます。大きさをなるべくそろえ、
ねじれたり曲がったりしないように並べます。
【煮熟(しゃじゅく)】
かつおを煮る工程です。籠立てしたかつおは85~96℃のお湯に温度を変えながら
約2時間つけます。殺菌され、脂肪分を除き、うまみをとじこめます。
【骨抜き】
煮熟した身から骨を1本1本手作業で除いていきます。
雌節先端にある7本の大きい骨をはじめ、約50本もの骨を取っていきます。
1人1日約600節(魚の数にすると150匹!)もの骨抜きをするそうです!
骨が残っていると、骨と身の乾燥するときの収縮率が違うために身割れの
原因となるためとても大切な作業になります。
(写真は①の手作業での生切りとは別の工場の写真です。手順が少し違います。)
骨抜きされた節は籠に並べられ、乾燥室へ。
ここで表面を乾燥することで菌が繁殖せず、質のよいかつお節が
できるようになりました。
【焙乾(ばいかん)・あん蒸(じょう)】
焙乾とは煙で燻(いぶ)すことで、焼津では薪にナラ・コナラを使う
ことが多いそうです。
焙乾には「水分の減少」「香り付け」「抗菌・抗酸化作用」「タンパク質
の分解」という役割があります。
焼津では、昔ながらの「手火山(てびやま)」という直火を使う方法と
「焼津式乾燥庫」と呼ばれる焙乾方法があります。
↑ 手火山
↑ 焼津式乾燥庫
最初の焙間を「一番火(水抜き焙乾)」と呼びます。
一番火のあと【修繕】を行います。
修繕とは、骨抜きなどで欠けた部分にすり身状のものを塗り込み、
表面をきれいにすることです。
焙乾のあとは節を休ませる「あん蒸」をして、中の水分を外に
滲み出させます。
「焙乾」と「あん蒸」を10回ほど繰り返し、小さいサイズで約1か月、
大きいサイズで約1か月半かけて水分量を徐々に減らしていきます。
これでできるのが荒節(あらぶし)です。
荒節の表面のタールを削り取ったものが裸節(はだかぶし)です。
ちなみにこれを削ったものが「花かつお」と呼ばれる削り節です。
ここで、生の魚・骨抜きした段階の節(水分量約70%)から荒節(水分量約25%前後)
まで水分を減少させます。
今回、最新の機械を備えた工場と昔ながらの方法で製造されている工場を
見学させていただきました。感じたのは、どちらも手間ひまかけて丁寧に
人の手によって作られていること。
魚を並べたり、骨抜きしたりといった作業は人の手によってされています。
熟練の経験が必要になる作業です。
無造作に並べているようでも実は微妙な重さや大きさを感じ取っていることや、
骨抜きも初日からできることはできても、かかる時間やできあがりのきれいさに
歴然とした違いが出るそうです。
たくさんの時間と職人さんの手を経て作られるかつお節。
この荒節の中からカビつけのできる節(枯れ節)は2~3割だそうです!
カビつけって?
次はいよいよカビつけのお話し。
つづく・・・。